◎10/13 AM-歴史を科学する


日時:2021年10月13日(水)10時-12時00分

場所:枚方市市民会館3F第4会議室

テーマ:歴史を科学する「世界史入門:二つの大陸文明の出会い」

講師:大阪府高齢者大学校 音田(おとだ) 輝元 様


大阪府高齢者大学校で「おもしろ教室・楽しい科学の実験」などの講義をされている

音田先生から、今回「歴史を科学する」という意味ありげな「テーマ」の講義を受講しました。

 

スタートするなり、「さあ、皆さん、本日は”高校生”になった気分で受けてください。

なれますか?」とあった。「どういうこと?」受講生たちは「うぬ?」と一笑で

講義が始まった。


早速、アメリカ大陸(アメリカ全土)についての質問でした。

 

1) アメリカ大陸を発見した人は? いつ?  (いーよこのくにーーーーー)

コロンブスらが出会った人々(原住民/先住民)は、ヨーロッパで見たことの無い数多くの植物を活用・食用にしていました。

そこで、役立ちそうな植物を自国へ持ち帰えりました。その一つが「タバコ」でした。タバコはその後、ヨーロッパ―>アジア―>そして

江戸時代初期に日本に伝わりました。


2) 世界の三大穀物は「トウモロコシ(唐蜀黍)、コムギ(小麦)、コメ(米)」ですが、アメリカ大陸原産の農作物/穀物はどれですか?

                                          正解は「トウモロコシ」だそうです。


3) 世界の三大イモ類は、「ジャガイモ(Potato/ジャガタラ芋)、キャッサバ(Cassava)/タピオカの原料、サツマイモ(Sweet Potato

  /薩摩芋)」ですが、アメリカ大陸原産はどれでしょうか?

正解:ジャガイモ、キャッサバやサツマイモ。

トウモロコシを含め、当時から原住民(先住民)が栽培・品種改良し食用にしていたようです。

コロンブス以後、アメリカ大陸に渡ったヨーロッパの人々は、アメリカ大陸原産の農作物の栽培方法や食用の仕方を原住民(先住民)から

教わり、ヨーロッパやアジアに広めた とのことでした。


4) 世界中で一番栽培・収穫されている野菜は、「トマト/Tomato」です。また、香辛料は「トウガラシ/唐辛子」です。

  これらはアメリカ大陸原産の農作物でしょうか?

各国々のオリジナル料理といわれるものが意外にもアメリカ大陸原産の作物を自国料理に積極的に使い、現在の名物料理になっている

ことにビックリでした。


 

真剣に聴き、メモをする受講生たち。

 

今晩の料理は「トマトベースの料理?」「キムチ入り?」

または、ジャガイモをつぶして「ポテトサラダ?」

どうしようかな?

 

ここで、前半は終了。休憩です。「タピオカないかしら??」


後半は、アメリカ大陸の歴史を探求してみよう。

アメリカ大陸を原産とする重要な農作物がたくさんありましたが、なぜ、"原産地"になっているのでしょうか?

地球創世時代の地殻変動によりアメリカ大陸(新大陸)は、ユーラシア大陸やアフリカ大陸(旧大陸)から分離し現在の形になりました。

アメリカ大陸には、縦(南北)にロッキー山脈そして、アンデス山脈があり、ユーラシア大陸には、アルプス山脈、ヒマラヤ山脈が

横(東西)にそびえる構造になりました。

数回の氷河期が両大陸を覆う中で、寒さに弱い植物はより暖かい南の方へ

育成地域を移動してきました。

ユーラシア大陸では東西に連なるアルプスやヒマラヤ山脈があるため

植物は南下しにくく、十分に育成できず、ほぼ絶滅状態になりました。

ところが、南北に連なるアメリカ大陸のロッキーやアンデス山脈では条件的によく

植物は南下が可能でした。そのため、アメリカ大陸では多くの種類の植物

(のちの農作物など)が生き残り育ちました。


◎人類の世界への拡散について

直立2足歩行が可能になった人類はアフリカからユーラシア大陸

などを経由して新たな地であるアメリカ大陸へ拡散・移動

しました。

そして、原住民(先住民)になりました。

彼らは生き残ったさまざまな野生植物の中から役にたつ

(食用になる)植物を探すことができました。

 

なお、植物学者によると、先住民たちは、「コムギやコメ」は

食べていなかったようだと推定しています。

コロンバス以後、ヨーロッパからの渡航者はヨーロッパの

さまざまな農作物(コムギやコメなど含む)を持ち込み栽培を

はじめたようだと述べています。

コムギはパンとして食べるようになりました。


5) 原住民(先住民)は、農作物・栽培植物を育て、食用にすることができるようになりました。

  それでは、コロンバスらがアメリカ大陸に上陸したとき、ブタ、ウシ、ニワトリ、ウマ、ヒツジなどの動物を家畜として飼い

  食肉用にしていたでしょうか?

そもそもアメリカ大陸には、野生のブタ、ウシやニワトリなどいませんでした。

 

野生の動物のリャマやアルパカを飼い慣らし家畜としていました。

ウシやウマの代わりに荷物の運搬などに利用していました。

ニワトリに代わる食用のトリとしては、「七面鳥」がいました。


他、アメリカ大陸原産の農作物には、

ラッカセイ、インゲンマメ、カボチャ、パイナップル、イチゴ、

 カカオ」などがありました。

 

また、メンカ(綿花-わた)は、ヨーロッパなどにもありましたが

アメリカ大陸にもあり、その後のアメリカの産業に大きな貢献・影響を与えた農作物の一つとして有名でした。

 

世界の人々の食生活は、各地・各国の人々が長い間、年月をかけて

育て農作物という素晴らしい贈り物を交換しあうことでより豊かに

なってきました。


◎ アメリカ大陸情報

アメリカ大陸は、「北アメリカ」「南アメリカ」そして両地区をつなぐ

「中アメリカ」の構成になっています。

・西側(太平洋側)にロッキー山脈(北アメリカ)そしてアンデス山脈(南アメリカ)と言う

 山脈が連なっています。

・東側の低い平野には、ミシシッピー川(北アメリカ)、アマゾン川(南アメリカ)と

 世界的にも大きな川が流れています。

・人口は、アメリカ合衆国には約3億人、ブラジル:2億人、メキシコ:1億人などに

 なっています。 



ヨーロッパの国々が、アメリカ大陸に侵略し支配する前には、マヤ文明、インカ文明が存在し繁栄していました。

しかしながら、侵略により先住民(原住民)は支配され、それらの文明は滅んでしまいました。

その上、持ち込まれた「感染症」により免疫のない多くの先住民(原住民)が亡くなりました。

 

ヨーロッパの国々の侵略・支配が繰り返されたアメリカ大陸の国々ですが、今でも先住民(インディオ系)の人々の人口が過半数と

なっている国は、「メキシコ」「コロンビア」「ペルー」などです。


◎ まとめ

・アメリカ大陸の原産物(植物・農産物など)は自然の環境などに 

 より作られた特別な産物でした。

 それらを先住民の人々が栽培・品種改良し食用にし、その後

 コロンバスらにより、ヨーロッパに広まり、そしてアジアなど

 他地域にも広がり、各国の料理と融合し新たなものに作り上げ  

 られました。

 

・異なる文化を持つ人々たちの出会いにより、新たな文化も

 生まれたが、時には、侵略・支配により過去の文明が滅亡し

 現在の国々になってきました。

 

 

 

 

 


◎ 受講後

・アメリカ大陸の発見から両大陸の食べ物の出会いをクイズ形式の問題で楽しく講座は進んでいきました。

  簡単そうな問題ですが、意外と難しく、皆さんの予想も統一したり、バラバラだったり。又、予想の解説も面白かったり、

 感心させられる解説もあり、参考になりました。

 

・音田講師から、これは覚えておいてよいかもと

 「"主要作物の原産地がアメリカ大陸に多い理由"を地図を見て、新・旧両大陸の山脈と赤道の位置を確かめておきましょう」と

 解説がありました。

「ガッテンをしていただけますか?」の問いかけに、ガッテン!でした。ありがとうございました。(中島さん/3班より)