◎7/28-AM 講義:先人の病と災い


日時:2021年7月28日(水)10時-12時

場所:枚方市民会館 3F 第4会議室

テーマ:先人の病と災い

講師:郷土史家(考古学者)植田 正幸 様


歴史、民族、人類そして考古学など幅広く探究・研究されている植田先生から、今回は、「先人の病と災い」について学びました。

ユーモラスな話の中に実体験談や"枚方"の歴史、地理などを盛り込んだ内容でした。



一昨年から全世界で猛威を振るっている新型コロナウィルスだが、過去の状況をみると、日本でもいくつものパンデミックな病気が

発生していた。

・737年ごろに平城京の都の"奈良"で「痘瘡・天然痘」が猛威を振るった。皇族の急死などにより、日本の国政にも大きな影響を

 与えていた。この疫病は、中国から九州へ伝染してきたとも言われている。 

 疫病、大地震や貴族・皇族の政争などから国を立て直すため、784年、都を奈良から"長岡"に遷都した。

 その後、794年、桓武天皇により平安京に遷都した。理由として、「平安でやすらかな都であるように」と懇願してのことでした。

*「天然痘」:痘瘡ウィルスによる飛沫感染症。感染力が強く、死亡率も高かった。現在では、"種痘"によって予防でき、1980年

 WHOが絶滅宣言を出している。

  

・江戸時代終わりから明治時代にかけて日本で大流行した疫病が「コレラ」でした。

  コレラの日本への伝染は、1822年ごろ、中国から朝鮮半島を経て 九州そして関西、関東などに伝わったと言われ「三日ころり」と

 呼ばれた。当時の状況を風刺する記事が「江戸流行病死人葬高」である。

 

・また、1860年代には、「はしか/麻疹」が江戸で大流行し、その当時を風刺する"かわら版"が出回った。


◎追加話・枚方おもしろ語り・唄「都風トコトンヤレぶし」:

幕末から明治時代初期に起きた大きな争いが「鳥羽・伏見/戊辰戦争」です。

「戊辰戦争」(ぼしんせんそう:慶応4年/明治元年(1868年) - 明治2年(1869年))は、王政復古を経て明治新政府を

樹立した官軍(新政府軍)と、旧幕府軍が戦った。

枚方・樟葉と接する京都府の橋本そして鳥羽、伏見などが戦線の地になった。

その当時の唄(軍歌:都風トコトンヤレぶし)にそれらの地名が含まれています。